誤解だらけの難病 若年性認知症2

posted on 2017.01.29

eyecatch

初診から3年と1か月 今日のできごと

  • 資源ごみの袋のくちをしばりたくてうまくいかず引きちぎる
  • 指が泳ぎ ふりかけを床にぶちまける
    (自ら掃除機をつかって片づけをする)
  • からまった紐の結び目がほどけないでこまる
    (わたしがほどく)
  • 4日後にせまった認知症サポーター要請口座の講演内容の打ち合わせに実感ない
    (書き出して何度も確認)
  • いきおいよく引っ張ったカーテンが落下
    (いっしょに掛けなおす)

若干のやりなおし時間があれば問題なく生活可能

初診から高校教師(音楽)退職までのあいだにおこったこと

校務において

出される校務予定表の手帳への転記で行の確認に手間取る
各種手書き書類(横書き)の記入の際にまっすぐに書けない
常に漢字辞典 用語辞典を参照
パソコン操作のスピードダウン
電話対応時にメモをとりながら話をすすめられない

授業(音楽)において

ピアノ(右手)が思うキーにあたらない
鍵盤上に右手がふたつ見える
楽譜上で音符が横に動いていくように見える
ハモりの音程がキープできない
リコーダーの指使いをまちがえる

生活において

疲労困憊しながら 一日の日誌をつける
持ち帰ったものを整理する
翌日のスケジュールと持ち物を確認する
緊張のため早朝覚醒

退職そしてオーボエ奏者としてのチャレンジ

本人の努力にもかかわらず 職務能力は下降の一途であれば
当然 職場の風当たりがきつくなり ストレスも増大する

人生の残り時間を有意義にすごすため 定年まで4年を残して退職
もともと私が活動分野としていた 音楽ボランティアに参加、専門楽器であるオーボエでのチャレンジがはじまるのだが・・・

過酷な症状との対峙をせまられることになる

家族だから語れること

どうでしょう?

アルツハイマー病=物忘れ

とはちょっとちがった風景が見えませんでしょうか?
病が奪い去っていく「脳機能」は「記憶」意外にもたくさんあるのです。

つぎつぎとこのようなことが押し寄せてくれば
当然 本人にも家族にも戸惑いや葛藤がありますが、極力心理的な部分はとばしています。
主人の心のなかは主人にしかわからないことですから。
音楽に取り組むことによって浮き彫りにされる 主人の身体におきる現象を描きだせればと思っています。

繰り返します

アルツハイマー病=物忘れ

ではありません。

まして
「ボケてまわりに迷惑をかけるどうしようもない人」などという甘い認識ですまされるものではありません。
どうぞ 継続して見守ってください。

他人事ではないのです。

診断のきっかけとなった事件は
「ネクタイが結べない」
でした。

物忘れではなことに注目してください。

指先の運動をコントロールする・・・脳機能の不具合がこんな形ででるのです。

若年性アルツハイマー病の場合 症状の現れ方に大きな個人差があるそうです。
なかなか診断につながらず 気がついたときには大きな悲劇
そんなことにならないために 参考にしてください。

他人事ではありません。