若年性アルツハイマー病 / 尻尾をかんだ蛇2

posted on 2017.02.27

eyecatch

若年性アルツハイマー病の夫とともに

初診から3年と2か月 今日のできごと

  • コートのファスナーをなかなかとめられない
    (できるまで繰り返してチャレンジ)
  • 自動ドアのタッチスイッチでないところの模様を押し続ける
    (数回の試行ののち気づく)
  • ガラス瓶容器の口のプラスチックキャップを外そうとしてエコハサミを突き立てる
    (うまくいかずガラス瓶を破壊。掃除・後始末は自力でする)

若干のやりなおし時間があれば問題なく生活可能

これまでのお話

これが現実 アルツハイマー病

をごらんください

今 考え直したい あのときの あの・・・

職場にはかくしとおして定年まで勤めましょう

さて これは 実際に電話相談の際にうけたアドヴァイスです

実際には 働き続けるか否かはケースバイケースですのでなんとも言えないところです
主人の場合は早々に退職を決めて「老後」を前倒しにスタートして正解だったと思っています

問題は

「かくしとおして」の部分

この言葉の裏に「アルツハイマー患者の就労をよしとしない」偏見がみえますよね
アドヴァイザーは実際の介護を経験したボランティアで ご自身の経験からでたことばです

これが現実です

主人の場合
管理職への配置考慮要求が裏目に出てしまい たいへんなストレスをかかえることになり 年度末 業務をおさめて無事退職するまで 退職理由を知られないようにと腐心しました

昨今 早期発見 早期診断がすすんできているのに
いまだ 中期 後期のイメージがと思い込みがはびこって偏見を呼んでいることは 初期患者のQOLを大きく下げているといえるでしょう

暴れるへび

症状がすすむにつれて 症状を自覚するアンテナを失っていくアルツハイマー病
この「自覚がない」状態はなかなかやっかいなものである

まわりからは 困っているようにみえても 本人は困っていると思っていない
助けの手がさしのべられることの意味がわからずとまどう
あるいは傍若無人な振る舞いとなり 人間関係を悪化させる

何かの拍子で自覚したときには 強い不安におそわれる

当然 精神的においつめられる
なんとも困った状態だ

しかし
自覚する脳機能が失われてしまう前に
暴れるへびの存在を知り 冷静になれることで
多く周辺症状をおさえることができる

早期診断 早期対策がたいせつだとおもう所以である

反対側から見てみよう

見守るがわからの「アルツハイマー患者はなぜ・・・?」という視点で語ったが
これをひっくりかえしてみると
「まわりの人は なぜ・・・?」となる

病に翻弄されている当人にとっては まわりの行動こそが不可能なものに見え 驚いたり落胆したりしている

ある意味 お互い様なのだ

現在進行形のチャレンジ

アルツハイマー病=物忘れ

とはちょっとちがった風景が見えませんでしょうか?
病が奪い去っていく「脳機能」は人としての存在を混乱させます

当然 本人にも家族にも戸惑いや葛藤がありますが、極力心理的な部分はとばしています。
主人の心のなかは主人にしかわからないことですから

アルツハイマー病=物忘れ

ではありません。

「ボケてまわりに迷惑をかけるどうしようもない人」でもないのです。
失われていく脳の機能に翻弄されているのです。

どれだけ本当の姿がえがきだせるかチャレンジです

早期診断 早期自覚は機能維持と以後の人生設計に大切なことです
人としてよりよく生きる
だれもが持っている権利として意識したいと思います

そして これは他人事ではありません。
診断のきっかけとなった事件は
「ネクタイが結べない」
でした。

物忘れではないことに注目してください。

指先の運動をコントロールする・・・脳機能の不具合がこんな形ででるのです。